愛和住販の賃貸日誌

それほど賃貸管理物件は多くないのですが、ちょこっと賃貸のことを書きたいブログです

原状回復工事

先日の「ペット可」物件の原状回復工事がなかなか始められません。

理由は、大家さんと店子さんの意見の相違があり現在調整中です。

平たく言うと原状回復工事の代金を誰が負担するか?という話です。

大家さんの言い分としては現況が経年劣化という

状態ではないので店子さんに払ってもらいたい。

店子さんの言い分としては、最初から「ペット可」で借りているのだから

ペットがつけたキズを全て修理するのはおかしい。

どちらの見解にも一理あると思います。

裁判所の見解は原状回復というのは通常消耗分を「元通り」に戻すことではなく

賃借人の故意・過失等による劣化を回復すること。という判断です。

それは、通常劣化分の修繕費等は必要経費として賃料に含まれているという理由です。

それはごもっともな話で、部屋をキレイにするのは大家さんの為ですからね。

それを店子さんに負担させるのは間違っているいるような気がします。

では、今回の「ペット可」物件は店子さんが言うように

大家さんがすべて負担するべきか?というとそれもまた違います。

確かに「ペット可」物件を借りていますが、

賃借人には、賃借物を善良な管理者としての注意を払って使用する義務を負っています

建物の賃借人として社会通念上要求される程度の注意を払って建物を使用しなければなりません。

ネコだったら爪とぎに注意したり、トイレを躾けたり。

それをしないで建具や畳・襖などが破損したら善管義務を果たしたことにならないでしょう。

自分の家で犬猫に畳の上で排泄はさせないでしょうし

爪とぎもシートを貼ったり爪をこまめに切ったりするでしょう。

我家にも猫が5匹しますが色々と工夫をしています。

そうした対処を全くしないで猫を飼っていれば当然だというのうは無理があります。

逆に「臭い」については、ペットを飼えば臭いはするのですから

「消臭」作業の分まで店子さんに支払わせるのはこれも無理があります。

そもそも、居住用の物件で退室時の原状回復工事代金を

賃借人が払うことなど昔はありませんでした。

それがいつの間にか原状回復工事を賃借人が負担する風潮になったわけです。

これは、物件を管理する不動産会社がそういう流れを作ったものだと推測します。

そして全国で原状回復工事でトラブルになるのは

現行の法律が「曖昧」だからに他なりません。

これだけ全国的にトラブルが絶えないのであれば明確に法律で決めるべきですね。

原状回復工事は、「大家さんが負担する」「賃借人が負担する」「双方で折半する」

これらのどれかに決めるべきだと思っています。

もちろん、現行法でも「大家さんが負担する」と一応は決まっていますが

「特約」を許しているので「曖昧」になってしまいます。

ここはハッキリと法律で決めて「特約」は無効とすべきだと思います。

それはトラブルを未然に防ぐためであり

大家さんと賃借人の双方を守ることだと思います。

不動産業界は自分たちの利益ばかり優先しないでもらいたいですね。